

志水です(@echohuku)
肩関節機能研究会の代表
運動器エコーカレッジのメンバーをしています
今回は
肩関節疾患における基礎の基礎である
肩関節周囲炎についての記事になります。
タイトルは
『"肩関節周囲炎"の真実 -時代遅れにならない知識-』
っていうちょっと目を引く感じですが…
簡単にいうと
肩関節周囲炎の歴史をエビデンスベースで
まとめた感じです
「五十肩」じゃないんですか?
そんなふうに思いますよね。
僕も以前はそのように考えていたので
気持ちはよくわかります?
肩関節周囲炎=五十肩
このように考えることは不思議ではありませんし
医師の世界でもこの用語はそのような認識で
使われていると思います。
そこで…
"現在"の肩関節周囲炎は、
我が国のガイドラインでは
どのような捉え方をしているのでしょうか?
そして、この肩関節周囲炎はどのように診断しているのでしょうか?
そのあたりをしっかりと深堀りしていきたいと思います
この記事を読むと…
🔻肩関節周囲炎の"今"の捉え方がわかる
🔻肩関節周囲炎の鑑別方法を知れる
こういったところを解説していきます
では先日したツイートから見ていきましょう
ツイート内容
ここでは肩関節周囲炎と五十肩と表現しましたが
他にも名称はあります
🔻拘縮肩
🔻凍結肩
こういった用語も肩関節周囲炎として
扱われることが多くある印象です
そのため
「肩関節周囲炎をしっかりと調べよう!」
というつもりで文献を漁っていると
『名称がバラバラでまとめる作業が難しい💦』
という経験をした人もいるのではないでしょうか?
ここからは、
その難しかった作業を、
ガイドラインやその他論文を用いて簡単にまとめて紹介していきますね.
肩関節周囲炎と五十肩って一緒?
実はこの肩関節周囲炎のはじまりは
”五十肩”なんです
といのも、この五十肩という名称が使われ始めたのは
「江戸時代」からであるといわれています。
この起源を少しだけ説明します
江戸時代(1797年)に発行された
当時の俗語(流行語)に焦点を当てた
俚言集覧(りげんしゅうらん)という
書物にこうかかれていたそうです
「凡、人 五十歳ばかりの時、手腕、骨節痛むことあり、
程すぐ れば薬せずして癒ゆるものなり、
俗に之を五十腕とも五十肩ともいう。また長命病という」引用:信原克哉. 肩: その機能と臨床. 医学書院, 2012.
つまり、「年を取れば肩も痛くなるだろう」
といった感じの"イメージ(印象)"が
なぜか今も引き継がれているっていうわけです。
そしてそれを医師も使うからもうわけわかんないですよね。
#お医者さんは「五十肩」っていうのやめましょうよ
ちなみに、肩関節の専門医が集まる
肩関節学会では数年前から
「五十肩っていう名称を使うのやめよう!」
みたいな感じで"学会内"で働きかけていましたが…
世間に浸透してしまってるから、なかなか難しいですよね。
それに、専門外の医師は
患者さんに説明する時に「五十肩」って言っておけば楽ですもんね。
で、本題の「肩関節周囲炎」という言葉ですが
日本においてその名を診断名として使い始めたのは
日本では肩の重鎮である信原病院の信原克哉先生である
とされています(間違っていたらすみません。)
肩関節周囲炎って分類がある?
僕が肩関節周囲炎を学び始めた時ですが(2010年頃の話です)、
肩関節周囲炎をまとめようとすると、
このような分類がどの書籍・雑誌にもつかわれていました。👇